私が鬱になった経緯(3)

私は自分を消すか会社を辞めるかを迷っていた。自分を消す事が手っ取り早い。しかし、家族の存在があったため、自分を消すことを思いとどめることができた。私がいなくなったら、妻、子供がどうなるか。そこにはまだ自分の存在意義が残っていた。
そして、基本設計のレビューの最終日を迎えた。この日に責任を取って辞職しようと考えていた。レビュー終了後に上司と会う約束をした。レビューが終わったのは翌日午前4時。タクシーで上司のいる職場へ行く。
このような状況になったのは、私に責任があると考えていたため、非常に気が重かった。もっとがんばれと言われるかもしれないと。
到着したのは5時すぎ。自分の最後の力を振り絞って「このような状況になったのは、全て自分の責任です。辞めて責任を取った事にできるのであれば、辞めさせてください」と伝えた。
上司の反応は意外なものであった。口から出たのは、「頑張れ」でも「責任を取れ」でもなかった。病院に行きなさいだった。私は自分が正常だと感じていたため、この指示は自分を逃がしてくれる優しさだと感じ、病院へ行くことにした。一週間くらい休ませてもらえるかもしれないと考えたからだ。